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2001年に初めて撮った、三つ指をついたご挨拶の写真。

2001年に木曽福島に呼んでいただき結婚式の写真を撮りました。
当日の新婦の仕度は新婦のご自宅で行うという事で朝6時にご自宅に伺いました。
ご自宅に到着すると、たくさんの人達で賑わっている状態でした。
たくさんのおばさまとおばあさまいらっしゃり、最初にお母様などご挨拶をと思っていたのに
誰にご挨拶をして良いのやら、全く解らずで
「すみません、今日の結婚式の写真を撮りに来たカメラマンなんですけど」と伝えると
「あーご苦労さんだね、こっちにお出で」と言われて
言われるがままに進んでいくと、お茶とお菓子が出てきました・・。
「あ、あのうご新婦さんの仕度のところとかも撮りたいんですけど・・」と伝えると
「あーまだ早いから、のんびりで良いよ」と人の良さそうな感じで言われてしまい
きっとこのままでは、ずっとおばちゃん達と美味しい漬け物を食べながらお茶を飲む事になってしまうと予感して
「すみません、ちょっと様子を見に行って来ても良いですか?」なんて場所を聞いて脱出。。
まさか、こんなご好意の洗礼があるなんて。
そして仕度をしている二階の部屋に向かうと、そこには良い感じの昭和の世界が広がっていました。
2001年に初めて撮った、三つ指をついたご挨拶の写真。_b0171345_16064943.jpg
弟さん?アディダス?
新婦さんは腰に毛布をがっつり巻いています。
水化粧のお皿がたくさん並んでいて、日本の結婚式なんですね。
そんな様子を覗き込む弟さん(?)の姿がまるで小津安二郎の映画のようです。
それから色々と話を聞きながら、撮影を始めました。
その時に下に居るたくさんのおばさまやおばあさまは親戚の方々”など”で昨日からずっと居るそうです。
すごいなぁ、なんか知ってたような初めて見たような、そんな景色でした。
それから、しばらくするとメイクさんから
「着替えるか、少しの間外してて」と言われ退散しました。
それから少しすると「写真屋さん、もう良いわよ」と呼ばれ二階に上がると
メイクさんは新婦さんに「あんたはここに座って」と場所を指定し座らせています。
その後メイクさんは一階へ向かい僕と新婦さんは、ポカンとしていると
メイクさんはお父さんとお母さんを連れてきました。
「あんたはそっち、あんたここね」(これお父さんとお母さんに言ったメイクさんの言葉です・・。)そうやって男前のおばさんメイクさんは完全にその場を仕切り
お父さん、お母さんの服を整えてから、こっちを振り向いて言いました。
「写真屋さん、用意は良い?」「はい」と僕
そしてメイクさんがその場から居なくなると
2001年に初めて撮った、三つ指をついたご挨拶の写真。_b0171345_16063656.jpg
男前のメイクさんが作ってくれた、その場は、僕が初めて見る結婚の為に家から出て行く言葉を三つ指をつてい親に伝えるシーンでした。
あの騒がしく設えられた場もすでにその喧噪は消え
両親も新婦もその場の重要な雰囲気を感じ取り
これで本当に娘が家を出て行くのだなと、そして娘はこれから我が家はここでは無いのだなと
一瞬にして、場は緊張というのか、とても感情的というのか、そんな空気が漂いました。
僕は、この場に居る事が、ある意味場違いな気にすらなりつつ、写真屋として写真を残さないとと思ったのでした。

その後、思いました。
あの男前のおばさまメイクさんはきっと優しい人なんだな。。と。

その日はその他にも色々と学ばせていただきました。
鯛の塩焼きはお弁当箱に詰めて持って帰るのもお客さんが自分達で最初にする事と言うのもこの時初めて知りました。(笑
そして、長い1日のおわりには新郎の実家へと向かいました。
新郎の実家では披露宴を終えた、新郎の親戚達が集まっていて大盛り上がりでした。
そして、やはり聞いてみました。
「あのこの盛り上がりはいつから?」
「昨日からずっとですね。明日までやると思いますよ。」





by discoveryphoto | 2015-09-16 17:07 | メイクのころ

結婚式でスナップ写真のカメラマンをしているDiscoveryのブログ。自然な雰囲気の写真が好きです。本サイトはプロフィールページにリンクがあります。


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